2008 Fiscal Year Annual Research Report
高密度マイクロアレイを用いた包括的ゲノム解析による肝細胞癌の発生・再発機構の解明
Project/Area Number |
18590717
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金井 文彦 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (70334399)
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Keywords | マイクロアレイ / ゲノム / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
肝細胞癌は、本邦でも死亡率の高い癌種の1つであり、慢性肝炎・肝硬変を母地として発生する。治療法は、手術、経皮的ラジオ波療法(RFA)、肝動脈塞栓療法(TACE)等であるが、肝細胞癌が多中心性発生や肝内転移により再発しやすく、また多くが肝硬変を伴っていることから、予後は不良である。肝細胞癌の治療成績向上のための研究と発症予防対策が急務である。GeneChip Human Mapping lOOk Setアレイは、SNPs判定に用いたプローブのシグナル強度とデータ解析ソフトとしてCNAGを使用することで、従来のCGH array等(1Mb程度)より高解像度で、染色体のより小さい増幅、欠失領域の検出が可能であり、さらに、SNP callの有無でLOHの有無が判定できる。我々は、肝細胞癌の細胞株から抽出したゲノムDNAや、肝細胞癌および非癌部肝組織をレーザーマイクロダイセクションにより切り出し、抽出したゲノムDNAについて、100kまたは500k chipを用いて共通の遺伝子増幅および欠失領域やLOHの有無を解析してきた。肝細胞癌において染色体8q22.3領域が高頻度に遺伝子増幅をおこし、その染色体領域にコードされるGRHL2遺伝子増幅が、肝細胞癌の早期再発に相関していることを見出した。RNAiにより肝癌培養細胞の内在性GRHL2をknock downすると細胞増殖が抑制されることからも、GRHL2の増幅は、肝細胞癌再発の予測因子となる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)