2006 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸による肝星細胞の因子発現制御:病態肝における意義の解明
Project/Area Number |
18590719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨谷 智明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90227637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 均 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80202422)
柳瀬 幹雄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50334397)
手島 一陽 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30396733)
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Keywords | 再生医学 / 栄養学 / トランスレイショナルリサー / 生理活性 |
Research Abstract |
近年、アミノ酸は単に蛋白質の素材となるだけでなく薬理学的作用を有する点が注目されている。一方、肝星細胞は生理的に細胞増殖、蛋白合成、糖代謝、脂質代謝に重要な役割を果たす因子を産生し、肝機能、代謝調節・維持に関与していると想定される。本研究では種々のアミノ酸による肝星細胞によって産生される生体代謝調節に関与する因子(HGF、IGF-1、Leptin)の発現調節を検討する事を目的とする。培養肝星細胞を用いて全アミノ酸をスクリーニングした結果、現在、3種類の有効と判断されるアミノ酸を見出した。それらの細胞内情報伝達系に与える影響を見てみると、なかでもロイシンはmTOR(mammalian target of rapamycin)系、即ち、p70 S6 kinase及び4E-binding protein 1の活性を短時間で急速に上昇させるのに対して、他の二つのアミノ酸はmTOR系の活性化の程度に違いがある事が判明した。また、最高の効果を発揮する濃度にもアミノ酸間で差を認めた。更に、これらのアミノ酸を組み合わせて投与すると、一部に相乗効果が認められた。またこれらのアミノ酸はラットに投与した場合にも因子発現刺激作用を有し、in vivoでも効果を持ちうることが確認できた。また、対照として、培養肝実質細胞における検討も行っているが、一部のアミノ酸は肝実質細胞に対しても有効で有ることが明らかになっている。今後更に、病態肝における効果、他の細胞内情報伝達系への影響等、検討を加えて行く予定である。
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Research Products
(5 results)