2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植後の進行性C型肝炎再発における肝内自然免疫の関与の解明と新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
18590723
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山際 訓 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10419327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 康伸 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (40334669)
高村 昌昭 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20422602)
佐藤 好信 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20313538)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 免疫学 / 臨床 / C型慢性肝炎 / 肝移植 |
Research Abstract |
1.研究対象とする症例の選定および肝生検組織と末梢血の採取 研究分担者である移植外科医の協力の下,生体肝移植後のC型慢性肝炎再発症例から同意を得て肝生検組織と末梢血の採取を実施中であるが,現在までのところ目標とする症例数には至っておらず,次年度も継続して採取を行う予定である。 2.肝臓内NK細胞,NKT細胞の分布,活性化マーカーやケモカインレセプター,NK細胞レセプター発現の解析 移植後症例の肝生検組織を用いての検討は今のところ十分ではないものの,対照とするC型慢性肝炎症例の解析では,末梢血中および肝組織中におけるNK細胞上の抑制性NK細胞レセプターであるNKG2Aの高発現が確認された。肝移植後においては,末梢血中のNK細胞におけるNKG2Aの高発現は認めない症例が多く,肝組織中のNK細胞における発現の解析とともに検討を継続している。細胞障害性に関与する分子としてはTRAILの発現が,ケモカインレセプターでは以下に述べるCXCL10のレセプターであるCXCR3発現が肝組織中の照細胞において有意に高く,病態への関与が示唆される結果と考えている。 3.肝組織中および血清中におけるサイトカイン・ケモカイン測定 活性化T細胞やNK細胞などの遊走に重要なケモカインであるCXCL10の血清中濃度をELISAにより測定したところ,C型慢性肝炎症例では健常人と比較して有意に高値であり,移植後の再発症例も同様に高値を示していた。肝組織中の解析は,分離したmRNAを用いてreal-time PCR法により定量を行う予定である。 4.cDNAマイクロアレイを用いた肝組織中の網羅的遺伝子発現解析 採取された肝生検組織については網羅的遺伝子発現解析を実施済みであるが,さらに検討症例を増やすとともに,移植していないC型慢性肝炎症例の肝組織との比較検討を計画している。
|