2006 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルス・ポリメラーゼ遺伝子解析による慢性肝炎の病態解明
Project/Area Number |
18590725
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
黒崎 雅之 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 医学研究員 (10280976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 並木 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 医学研究員 (20397300)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
|
Keywords | Lamivudine / breakthrough hepatitis / polymerase遺伝子 / domain B / domain A |
Research Abstract |
B型慢性肝炎治療におけるLamivudine耐性ウイルスによる肝炎発症機構を検討するために、Lamivudine治療中にB型肝炎ウイルス(HBV)DNAが再上昇し、肝炎再燃(breakthrough hepatitis)を発症した症例から経時的に血清を採取し、HBV polymerase遺伝子領域のアミノ酸変異を解析した。Polymerase全領域のなかでも変異集積部位は限定されており、reverse transcriptase活性domain Cのrt204変異に加えてdomain Bのrt180に逐次的に変異(LeuからMet)が生じることによりHBVDNAの急激な上昇および肝炎発症が見られ、rt180変異と肝炎発症との関連が確認された。Domain Aのrt80にも高頻度に変異が見られたが(LeuからValあるいはIle)、臨床像との関連は明らかではなかった。この他に、polymerase遺伝子と同一遺伝子により異なるframeでコードされるSurface遺伝子に変異を伴う症例が見られ、特異な臨床像との関連が示唆されたため、臨床的解析を進めている。一方、adefovir治療効果とpolymerase遺伝子変異との関連性については、上記の変異集積部位の遺伝子構造と治療反応性には明らかな相関が見られなかったが、活性中心領域以外のinterdomainの変異と治療後のHBVDNA減少が関連する可能性が示唆され、現在解析をすすめている。今後更に新規核酸アナログ製剤であるentecavirについても、同様の解析を行う。
|
Research Products
(6 results)