2007 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝疾患の進展・発癌への潜在性HCVの関与
Project/Area Number |
18590734
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 Shimane University, 医学部, 講師 (10332785)
|
Keywords | 非アルコール性脂肪性肝炎 / 潜在性HCV / 発癌 |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪性肝炎(以下NASH)における潜在性C型肝炎ウイルスの関与を明らかにする目的で平成19年度は以下の検討を行った。非アルコール性脂肪性肝炎患者47人(平均年齢50.0歳、男性27、女性20、Blunt分類G0:1例,G1:20例,G2:26例,S1:25例,S2:18例,S3:4例)、C型慢性肝炎症例6例、転移性肝がん・良性肝腫瘍症例14例、の凍結肝組織材料を用いてリアルタイムPCR法を用いてHCVRNAの定量化を試みた。血中HCVRNA陽性症例では肝組織中のHCV-RNAは全例陽性でその量は4.7±6.5×10^5コピー/assay(mean王SD、lassay当たり10mgの肝組織を使用)で1.1〜8.5×10^5コピー/assayの範囲で検出された。これらは血中のHCVRNA量と相関した。しかしながら、18年度同様NASH症例36例および転移性肝がん・良性肝腫瘍症例14例およびに関しては1例もHCVRNAは検出されなかった。続いて上記NASH例とは別に外科でNASH由来の肝硬変に合併したと考えられる肝細胞癌症例4症例につき切除標本2例と肝生検標本2例の凍結組織を用いてHCVRNAを測定したが全例陰性であった。発癌症例4例に関してはHBc抗体が1例で陽性であった。今回の臨床結果を受けて実験動物モデルを用いての追加検討の必要性はなくなった。今回の検討から非アルコール性脂肪性肝炎の成因を考える上で、またその進展例の肝発がんに潜在性C型肝炎ウイルスの関与は否定的であると考えられた。Negative dataとなったが、現在英文雑誌に投稿を検討中である。
|