2007 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な骨髄細胞を用いた肝臓再生療法開発のための基盤研究
Project/Area Number |
18590737
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寺井 崇二 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (00332809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井田 功 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80263763)
内田 耕一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80397992)
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Keywords | 再生医学 / 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
我々は、四塩化炭素による誘導された肝硬変が、骨髄細胞投与により改善することを示してきた。しかし、なぜ投与された骨髄細胞は持続する肝障害下において生存するのか、また障害肝の微少環境を改善するかは明らかになっていない。この過程における細胞の状態を解析するために、電子顕微鏡を用いて障害肝を検討した。まず四塩化炭素障害環境では肝細胞に粗面小胞体の膨化を引き起こしていることが明らかになった。次にこの過程における遺伝子発現パターンの解析を行うために、PCR-selected suppressive subtractive hybridizationを行った。コントロール障害肝と骨髄細胞投与後の障害肝とで、HSP84、HSP40、XBP1の発現レベルが大きく異なることが明らかになった。さらに免疫染色によって、HSP84とHSP40の発現は、骨髄細胞投与初期に著明な高発現になるが、時間経過とともに低下した。一方、XBP1の発現は後期も持続し、これに伴いGRP78も高発現していた。我々は投与したGFP陽性の骨髄細胞もXBP1あるいはGRP78を発現していることも明らかになった。XBP1とGRP78は細胞のER stressに関連している。それ故、XBP1とGRP78の高発現が持続する事は、四塩化炭素によって誘導された肝障害環境において骨髄細胞が生存、増加するために必要であることが明らかになった。これらの成果は現在我々が臨床研究開発を行なっている肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法の基盤研究になった。
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Research Products
(15 results)