2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインレセプターを介した肝癌細胞の転移・増殖機序の解明
Project/Area Number |
18590743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 義人 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (70244613)
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Keywords | 肝癌 / ケモカイン / ケモカインレセプター / 転移 / 増殖 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1)多種類の肝癌細胞株におけるケモカインレセプター表出解析 以前の検討(平成15〜16年度)に追加して多種類の肝癌細胞株において10種類のCCケモカインレセプター、6種類のCXCケモカインレセプター、XC、CX3Cケモカインレセプターの合計18種類のケモカインレセプターの発現をreal time PCR法を用いmRNAレベルで検討した。CXCケモカインレセプターCXCR4は特にPLC/PRF/5(Al)で強く発現しており、CCケモカインレセプターCCR6はHuH7、Al、HepG2で強く発現していた。次に、細胞表面に表出されたレセプターをflow cytometerを用いて検討した。CXCR4 mRNA発現の多かったAlではCXCR4が強く表出されており、また、HuH7やHepG2でもCXCR4の表出はみられたが、HLEやHLFでは表出されていなかった。CCR6の発現の検討では、real time PCRでmRNA発現量の多かったHuH7、Al、HepG2の3種類の細胞ではCCR6が強く表出されていた。 2)ケモカイン・ケモカインレセプターの肝癌細胞株における解析 CXCR4のリガンドであるSDF-1はHuH7、Al、HepG2の3種類の細胞でそのmRNAの発現が亢進していた。Alの培養上清ではSDF-1の産生がELISA法で確認された。CCR6のリガンドであるMIP-3αの発現はHuH7、Al、HepG2の三種類の細胞において確認され、その3種類の細胞株の培養上清ではMIP-3αの産生がELISA法で確認された。これらの結果より、HuH7ではMIP-3αとそのレセプターCCR6が発現しており、HuH7はMIP-3αの濃度依存性に細胞増殖が亢進しており、ケモカインがautoまたはparacrineに働き、細胞増殖に働く可能性が示唆された。 CXCR4のmRNA発現の多かったAlでも同様の検討が現在進行中であり、肝癌細胞の細胞増殖に働くケモカイン・ケモカインレセプターシステムの詳細を来年度明らかにする予定である。
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