2007 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインレセプターを介した肝癌細胞の転移・増殖機序の解明
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18590743
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 義人 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (70244613)
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Keywords | 肝癌 / ケモカイン / ケモカインレセプター / 転移 / 増殖 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
多種類の肝癌細胞株において、合計18種類のケモカインレセプターの発現をreal time PCR法を用いmRNAレベルで検討した。CXCケモカインレセプターCXCR4は特にPLC/PRF15(Al)で強く発現しており、CCケモカインレセプターCCR6はHuH7、Al、HepG2で強く発現していた。次に、細胞表面に表出されたレセプターをflow cytometerを用いて検討した。CXCR4 mRNA発現の多かったAlではCXCR4が強く表出されており、また、HuH7 やHepG2でもCXCR4の表出はみられた。CCR6の発現の検討では、real time PCRでmRNA発現量の多かったHuH7、Al、HepG2の3種類の細胞ではCCR6が強く表出されていた。CXCR4のリガンドであるSDF-1はHuH7、Al、HepG2の3種類の細胞でそのmRNAの発現が亢進していた。Alの培養上清ではSDF-1の産生がELISA法で確認された。CCR6のリガンドであるMIP-3αの発現はHuH7、Al、HepG2の三種類の細胞において確認され、その3種類の細胞株の培養上清ではMIP-3αの産生がELISA法で確認された。これらの結果より、ケモカインの濃度依存性に細胞増殖が亢進しており、ケモカインがautoまたはparacrineに働き、細胞増殖に働く可能性が示唆された。今回、CXCR4のmRNA発現の多かったAlで同様の検討を行ったが、肝癌細胞の細胞増殖に働くケモカイン・ケモカインレセプターシステムは明らかではなかった。
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