2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌細胞における上皮由来増殖因子シグナルの解析とアポトーシス抵抗性機序の解明
Project/Area Number |
18590745
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
樋口 肇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20306682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 官均 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80286468)
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Keywords | 膵癌 / アポトーシス / EGFシグナル / cancer stem cell |
Research Abstract |
膵癌細胞におけるEGF受容体の発現レベルとアポトーシス感受性の相関を解析するため、real time PCR法により膵癌細胞株のEGF受容体mRNA発現レベルを、western blot法によりEGF受容体蛋白レベルを解析した。膵癌細胞株として、Panc-1、MIA PaCa-2、Capan-1、Capan-2、BxPC-3を用いた。アポトーシス感受性感受性解析は、annexin V染色法、DAPI染色による蛍光顕微鏡観察を行った。アポトーシスの誘導は、抗がん剤(5-fluorouracil, cisplatin, bleomycin)、TNF-related apoptosis-inducing ligand(TRAIL)、放射線照射を用いた。しかしながら解析した細胞株において、EGF受容体発現レベルとアポトーシス感受性の間に明らかな相関関係は認められなかった。また、EGF受容体遺伝子変異をdirect sequencing法にて解析したが、上記細胞株において明らかな受容体変異は認められなかった。現在、siRNAによるEGF受容体発現抑制によるアポトーシス感受性増強作用を検討中である。 膵癌細胞を用いて我々は、side population(SP)法を用いた癌幹細胞の分離培養法に成功した。分離したSP細胞は、非SP細胞と比較して腫瘍形成能が高く、アポトーシス抵抗性であることが明らかになった。DNA microarray法による解析では、膵SP細胞においてEGF受容体発現レベルが高い傾向にあった。現在、膵癌SP細胞におけるstemnessに対するEGF受容体シグナルの関与を解析中である。
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