2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵胆道癌細胞における抗アポトーシス遺伝子発現調節機構の解析と分子標的治療への応用
Project/Area Number |
18590747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高石 官均 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80286468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 肇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20306682)
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Keywords | Mcl-1 / アポトーシス / siRNA |
Research Abstract |
消化器癌細胞におけるアポトーシス感受性規定分子を検索し、Bcl-2ファミリー蛋白であるmyeloid cell leukemia-1(Mcl-1)が抗癌剤抵抗性克服のための標的分子となりうるか否かを検討した。消化器癌細胞株(胃癌細胞株6種、膵癌細胞株5種、胆管細胞癌株3種、大腸癌細胞5種)を用い、Mcl-1発現レベルとアポトーシス感受性の相関を検討した。Mcl-1 mRNA発現レベルはreal time PCR法により、Mcl-1蛋白発現レベルはwestern blot法により解析した。アポトーシス感受性感受性解析は、annexin V染色法、MTS assay、DAPI染色による蛍光顕微鏡観察を行った。アポトーシスの誘導は、抗癌剤(5-fluorouracil, cisplatin)、TNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)を用いた。胃癌細胞株、および胆管細胞癌株においてはMcl-1発現レベルとアポトーシス感受性の間に相関がみられたが、膵癌細胞株および大腸癌細胞株においては両者の相関は認められなかった。Mcl-1発現抑制を誘導するため、ヘアピン型siRNA (shRNA)発現adenovirus vectorを作成し、高い遺伝子抑制効率を確認した。抗Mcl-1 shRNAベクターにより・胃癌細胞・胆管細胞癌細胞、大腸癌細胞においては、著しいアポトーシス感受性増強作用が確認された。膵癌細胞においてはMcl-1発現抑制の効果は軽微であり、Mcl-1とは異なるアポトーシス抵抗性分子が作用していると想定された。現在、作成したアデノウイルスベクターを用いて、in vivoにおけるMcl-1抑制効果を検討中である。
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