2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵細胞の分化機序の解明(Notchシグナル)と慢性膵炎の新たな治療法に向けて
Project/Area Number |
18590750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
峯 徹哉 東海大学, 医学部, 教授 (20157572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 助教授 (30246079)
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Keywords | Notch / Jagged / Pdx-Cre / ER / 外分泌 / 内分泌 / 膵幹細胞 / Dll1 / リガンド |
Research Abstract |
これまで、種々の未分化細胞の系列決定期に機能することが知られるNotchシステムの中で、分化促進要因としてのNotchリガンド(NotchL)の役割について解明するために、2つのNotchL、Dll1とJagged1の誘導型遺伝子欠損(floxed)マウスを樹立し、解析してきた。本研究では、膵臓での細胞系列決定おけるNotchLの役割を解明することを目的とした。 本年度の研究では、膵幹細胞活性を有することが知られる膵管細胞にJagged1が発現することを見出した。そこで、膵細胞でのCre分子の特異的発現を誘導できるPdx-Cre/ERマウスとJagged1-floxedマウスを交配し、生後にタモキシフェンを投与することによりJagged1の遺伝子欠失を誘導した。その結果、外分泌細胞の形態を示す細胞の一部に、内分泌ホルモン(インスリン、グルカゴン)を産生する異常な細胞が認められた。このことから、膵未分化細胞から外分泌細胞の系列へと分化する過程でJagged1を介するNotchシグナルが機能して、内分泌細胞系列への分化を抑制している可能性が考えられた。一方、胎生期においても同様のJagged1の発現を認めたが、膵実質細胞に分化する上皮細胞の集団を取り巻く間葉系細胞にもJagged1が発現することから、上皮・間葉系細胞を分離したうえで再構築するような培養系を確立し、それぞれの遺伝子欠失の影響を検討することが重要と考えられた。
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Research Products
(6 results)