2007 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化シグナルAktによる心筋Naチャネルの機能修飾と不整脈に関する研究
Project/Area Number |
18590757
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
蒔田 直昌 Hokkaido University, 北海道大学病院, 講師 (00312356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 直樹 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 部長 (30311426)
塩島 一朗 千葉大学, 医学系研究科, 准教授 (90376377)
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Keywords | Akt / リン酸化 / Naチャネル / 致死性不整脈 |
Research Abstract |
NaチャネルのAktリン酸化に関する免疫生化学的検討 AktとそのホモログSGKがNaチャネルをin vitroでリン酸化するかどうか検討した。ヒト心筋Naチャネル(Nav1.5)のcDNAにFLAGエピトープを付加した融合タンパクを作成した。ヒトAktまたはSGKをプラスミドpCDNA3.1にサブクローニングし、HEK293細胞にトランスフェクションした。膜タンパクを抽出し、抗FLAG抗体で免疫沈降後、SDS電気泳動しPVDF膜にウェスタンブロッティングした。PVDF膜を抗Aktリン酸化基質抗体と二次抗体で染色した。Aktの共存によってNaV1.5のリン酸化が有意に増強したが、この作用はAktのホモログであるSGKでは見られなかった。またパッチクランプを用いた機能解析から、AktはNa電流を増加し、Nav1.5チャネル活性化の膜電位依存曲線が過分極側にシフトすることも判明した。この作用は、Aktの不活性化変異クローンや、Akt認識アミノ酸配列を破壊したNav1.5変異では認められなかったため、Nav1.5のAkt認識配列が特異的にリン酸化されるためであることが判明した。Aktの過剰発現によって心肥大をきたす実験動物の突然死の原因として、Aktを介したNaチャネルが特異的にリン酸化され、致死性不整脈が発生することが推測された。トランンスジェニックマウスを用いたAktの催不整脈作用に関するin vivoの研究は本研究期間に行うことはできなかったが、今後詳細な検討を行う予定である。
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Research Products
(11 results)