2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590760
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
久保田 功 Yamagata University, 医学部, 教授 (30161673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹石 恭知 山形大学, 医学部, 准教授 (40272067)
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Keywords | HMGB1 / inflammation / immunity / heart failure |
Research Abstract |
High Mobility Group Box Protein 1(HMGB1)は非ヒストン核蛋白の主要成分として知られ、核内でヒストンH1と置換してヌクレオソーム構造を弛緩させ、転写反応に最適な構造を構築させる。しかし最近の研究で、核蛋白HMGB1が実に細胞外に分泌されて、種々の機能を営むサイトカインとしての働きを有していることが判明した。本研究の目的は、このサイトカインとしての作用も有する核蛋白HMGB1の心不全の発症と進展における役割を明らかにすることである。HMGB1を心臓にのみ選択的に発現するトランスジェニック(TG)マウスを作成し、そのフェノタイプを評価することでHMGB1の心臓での機能をin vivoで検討した。α-MHCプロモータを用いて心臓にのみHMGB1遺伝子を選択的に発現したTGマウスを作成した。全身の臓器からRNAを抽出し、RT-PCRでHMGB1遺伝子が心臓にのみ発現していることを確認した。Western blottingでは蛋白レベルでHMGB1は野生型WTマウスの3〜4倍発現していた。免疫染色では、心筋細胞中の核内にHMGB1が局在していることが明らかになった。TGマウスの心臓は、形態、組織とも正常で、心エコーで評価した心機能も正常であった。大動脈圧、左室圧もWTマウスと差を認めなかった。血液中のHMGB1濃度をELISAで測定したところ、TGマウスでも血中濃度の上昇は認められず、血液中には分泌されていないことが示唆された。TGマウスとWTマウスに対し、心筋梗塞を作製し、4週間後の心機能を評価したところ、TGマウスでは4週間後の心機能が良好であり、梗塞巣も有意に小さかった。また梗塞部周囲の血管新生の程度がWtマウスに比べて強く、心筋梗塞後リモデリングが抑制された理由の1つとして考えられた。
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Research Products
(12 results)