2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける心不全発症機序の解明と治療への応用
Project/Area Number |
18590761
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横山 知行 群馬大学, 医学部, 教授 (70312890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00215047)
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Keywords | 肥満 / Stearoyl-CoA desaturase-1 / 脂肪酸 / 圧負荷 / Suppressor of cytokine signal-3 / 心筋細胞 |
Research Abstract |
(1)高ショ糖食肥満モデルの心臓でのStearoyl-CoA desaturase-1(SCO1)の発現と培養心筋細胞を用いた機能解析 高ショ糖食ラットでは対照群に比較して著明な腹腔内脂肪の増加と血清グルコース、遊離脂肪酸、インシュリンの有意な増加を認めた。さらに遊離脂肪酸分画では飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸ともに高ショ糖食群で増加していた。心臓よりRMAを抽出し、real-time PCR法でSCD1-mRNAの発現を比較すると、高ショ糖食群で有意に発現が増加していた。新生児ラット培養心筋細胞にグルコース、インシュリンあるいは飽和脂肪酸を添加するとSCD1-mRNAの発現が誘導された。また、培養心筋細胞にアデノウィルス発現ベクターを用いてSCD-1を過剰発現させると、脂肪酸代謝の低下と細胞内脂肪蓄積が認められた。以上より、内臓脂肪蓄積型肥満ではグルコースおよびインシュリンによって心臓でのSCD1発現が増加し、SCD1により心筋細胞の脂肪酸代謝低下と細胞内脂肪蓄積が促進されるものと考えられた。 (2)急性および慢性圧負荷心でのSuppressor of cytokine signal-3(SOCS-3)の発現解析 ラットの腹部大動脈狭窄による圧負荷心肥大モデルでは、負荷後1日目に心臓でSOCS-3 mRNAの著明な発現亢進が認められたが、2日、4日とその発現は徐々に減弱し、2週および4週間後には対照群と比較して有意に発現が低下していた。また、培養心筋細胞をangiotensin IIあるいはレプチンで24時間刺激すると、SOCS-3 mRNAの発現が誘導されるが、刺激を48、72時間と継続すると、時間依存的にその発現は低下した。以上より、急性負荷ではSOCS-3発現亢進によりnegative feedback機構が働くが、慢性負荷では逆にSOCS-3の作用は抑制されていると考えられた。
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Research Products
(2 results)