2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける心不全発症機序の解明と治療への応用
Project/Area Number |
18590761
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横山 知行 Gunma University, 医学部, 教授 (70312890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
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Keywords | 肥満 / Stearoyl-CoA desaturase-1 / 脂肪酸 / メタボリックシンドローム / N-epsilon-(hexanol) lysine / 酸化ストレス |
Research Abstract |
(1)Stearoyl-CoA desaturase-1(SCD1)過剰発現培養心筋細胞の作成とSCD1の心筋細胞での機能解析高ショ糖食ラットでは対照群に比較して、心臓での SCDl-mRNAおよび蛋白の発現が有意に増加していた。また、新生児ラット培養心筋細胞にグルコース、インシュリンあるいは飽和脂肪酸を添加するとSCD1-mRNAの発現が誘導された。そこで、培養心筋細胞にアデノウィルス発現ベクターを用いてSCD-1を過剰発現させた心筋細胞を作成した。SCD-1過剰発現心筋細胞では脂肪酸代謝の低下と細胞内中性脂肪蓄積が認められた。以上より、内臓脂肪蓄積型肥満ではグルコースおよびインシュリンによって心臓でのSCD1発現が増加し、SCD1により心筋細胞の脂肪酸代謝低下と細胞内脂肪蓄積が促進されるものと考えられた。 (2)メタボリックシンドローム患者の血中酸化ストレスマーカーと抗酸化ストレスマーカーの測定メタボリックシンドローム患者(27名),肥満者(24名),非肥満者(18名)の血中酸化ストレスマーカー,N-epsilon-(hexyanoyl)lysine(HEL)および8-hydroxyguanosine(8-OHdG),抗酸化ストレスマーカー,TASを測定比較した。血中8-OhdGおよびTASはメタボリックシンドローム群と他の群では差がみられなかったが,血中HELはメタボリックシンドローム群で有意に増加していた。また,血中HELは血糖,血中インシュリン濃度およびインシュリン抵抗性の指標,HOMA-IRと有意な正の相関を示した。以上より,血中HEL濃度はメタボリックシンドローム患者で,インシュリン抵抗性に関わる酸化ストレスを表す指標になると考えられた。
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Research Products
(2 results)