2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内カルシウム動態制御による渦巻き型旋回興奮の成立・分裂の抑制
Project/Area Number |
18590767
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本荘 晴朗 Nagoya University, 環境医学研究所, 准教授 (70262912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (50194973)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50178597)
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Keywords | 致死性不整脈 / 活動電位 / 細胞内カルシウム動態 / 光学マッピング / リエントリー / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
心筋細胞におけるCa^<2+>動態はtriggered activityの発生のみならず興奮波の分裂現象にも深く関与しており、心室細動/頻拍など致死性不整脈の発生・維持に重要な役割を果たすことが示唆されている。昨年度の本研究では、2種類の蛍光プローブを用いて心筋活動電位と細胞内Ca^<2+>動態を同時に計測するシステムを開発した。しかし、この装置ではダイクロイックミラーを用いて光路を分割して2台の高速度カメラによって蛍光画像を撮影する手法を用いたため、同一画角で画像を記録することが困難であり、心筋活動電位とCa^<2+>動態の関連性を詳細に解析することはできなかった。今年度の研究では、1台の高速度CMOSカメラで心筋活動電位とCa^<2+>動態の同時・同期計測が可能なシステムの開発を行った。本システムでは、膜電位と細胞内Ca^<2+>計測プローブとしてRH-237とRhod-2を用い、それぞれの励起光源LEDを交互に点灯するとともに、それぞれの蛍光計測用光学フィルタを回転させて交互に切り替える機構を備え、同一光路で活動電位とCa^<2+>画像を撮影することができるように設計した。ウサギ摘出灌流心臓を用いた実験では、左心室の活動電位と細胞内Ca^<2+>動態を20フレーム/s,画面解像度256×256 pixel,空間分解能1.56mmで撮影でき、心室における興奮波の伝播とCa^<2+>動態を高い分解能で同時にマッピングすることが可能であった。今後、本計測システムを用いてスパイラル・リエントリーのダイナミクスを詳細に解析することにより、致死性不整脈の発生機序の解明や制御技術に関する新たな知見が得られるものと期待される。
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