2006 Fiscal Year Annual Research Report
心房圧・容量負荷による心房細動の発生機序の解明と治療戦略の確立
Project/Area Number |
18590769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 充 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (10422768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 正博 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10093428)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究科, 教授 (30124720)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究科, 助教授 (70262912)
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Keywords | 心房細動 / 圧・容量負荷 / 伸展刺激活性化チャネル / 光シグナル |
Research Abstract |
1.急性心房圧負荷モデルを用いた心房細動に対する各種薬物の作用 近年、伸展刺激活性化チャネル阻害剤の一つである蜘蛛毒由来ペプチド(GstMx-4)が心房細動の発生を抑制することが報告されて注目されている。H18年度の研究では、まず共同研究で新規に作成された蜘蛛毒由来短鎖ペプチド(TVP003及び017)が心房細動受攻性に及ぼす影響について検討した。しかし残念ながら、このモデルにおいて2種類のペプチドは心房細動の受攻性に明らかな変化を及ぼさなかった。次に、スクリーニングとして他の薬物について検討を継続した。近年、開胸術後の心房細動再発の抑制にスタチン製剤の前投与が有効であるという報告が続いており、本研究においてもスタチンが心房細動の受攻性に及ぼす影響について検討を開始した。水溶性のスタチンとしてプラバスタチン(10-30μM)を、脂溶性のスタチンとしてロバスタチン(1-3μM)を用いてその評価を行った。その結果、スタチンは有意に心房細動の受攻性を減少させることが明らかとなってきた。今後は、スタチンが具体的にどのシグナル伝達経路に影響を与えるのかについて検討を行っていく予定である。 2.活動電位光学マッピングによる興奮伝播の解析 H18年度の研究では、心房内圧の上昇が興奮伝播にどのような影響を与えるのかについて検討した。定常刺激(CL,200ms)を行った場合、低圧時(〜2cmH_2O)および高圧時(10cmH_2O)において興奮伝播には大きな変化は見られなかったが、高頻度刺激(CL,80ms)を行った場合、高圧時には興奮伝導の不均一性が増加することによって、興奮パターンに不均一性が生じ、その結果としてリエントリーが形成されることが画像解析により確認された。今後は、薬剤添加により高圧状態における興奮伝播がどのような影響を受けるのかについて検討を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)