2006 Fiscal Year Annual Research Report
SERCA2a遺伝子変異を有する心筋症モデルマウスに対する加齢・圧負荷の影響
Project/Area Number |
18590782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
南沢 享 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (40257332)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 遺伝子 / ストレス |
Research Abstract |
研究代表者は先行研究において、1例の家族性肥大型心筋症患者に、心筋筋小胞体カルシウムATPase(SERCA2a)遺伝子の異常を見出した。このValine540Alanine変異SERCA2a(V540A-SERCA2a)が肥大型心筋症の原因であることを明らかにするためには、実験的にV540A-SERCA2aによる心筋筋小胞体でのカルシウム調節異常によって、実際の生体内で心機能障害や心筋症を生じることを示すことが最も直截な証明法であると考え、V540A-SERCA2a変異遺伝子を心筋特異的に発現させたトランスジェニック(TG)マウスを作成した。8-12週の若いV540A-SERCA2a TGマウスの心機能を調べたところ、正常マウスに比べ、20%ほど心筋収縮性が低下することを見出した。しかし心筋症様の形態的な変化は顕著ではなかった。一方、遺伝子異常を有する患者では、加齢やストレスなどの二次的因子が加わることによって、疾病が顕在化すること(セカンドヒットセオリー)が知られている。そこで「加齢と圧負荷によるストレスが、V540A-SERCA2a TGマウスの心機能をさらに悪化させ、心筋症様の形態変化を引き起こす」との仮説に基づき、実験を行った。平成18年度において、野生型マウス(オス9匹、メス9匹)、V540A-SERCA2a TGマウス(オス6匹、メス7匹)の加齢による影響を調べることが出来た。オスのV540A-SERCA2a TGマウスは有意に心重量の増加が認められた。圧負荷テストはマウス繁殖が不良で、若いマウスが予想以上に得られなかったため、平成19年度の実験を再計画した。
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Research Products
(4 results)