2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋サイドポピュレーション細胞を用いた重症心不全への細胞移植療法
Project/Area Number |
18590785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
葭山 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30240956)
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Keywords | 移植 / 再生医療 / 再生医学 |
Research Abstract |
我々は米国ミネソタ大学との共同研究にてブタの骨髄間葉系幹細胞を用いて、免疫不全マウスの心筋梗塞モデルに直接心筋細胞移植を行った。移植2週、4週後に心臓超音波検査を施行し、心機能評価を行った。その後、心臓の組織切片を作成し蛍光多重免疫染色を行い、骨髄間葉系幹細胞の分化を評価した。その結果、心機能は骨髄間葉系幹細胞を移植することにより対象群と比べて心臓リモデリングは抑制されており、収縮能の改善を認めた。また、蛍光多重免疫染色法より、心筋に移植した骨髄間葉系幹細胞は心筋細胞に特異的なCardiac-Troponin Tや転写因子であるmyocyte enhanced facter-2の発現を確認した。また、細胞間のgap-junction蛋白に関するマーカーであるN-Cadherin, Connexin 43の発現を確認した。同様に、心筋に移植した骨髄間葉系幹細胞は内皮細胞のマーカーであるCD 31,von Willebrand factorの発現も確認した。これらの結果は欧米論文のStem cellsに掲載された。これらの経験と実績をもとに、骨格筋サイドポピュレーション細胞を用いて、細胞移植療法の検討を行う予定である。骨格筋細胞を使用する利点は筋生検により容易に採取可能であること、自家移植であり拒絶反応を有しないこと、また、細胞を培養することにより増殖可能なことが挙げられる。マウス心筋梗塞モデルに細胞移植療法を行うことにより、その有用性を検討したいと考える。
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