2007 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動塞栓症の新規予防法開発に関する研究:心房内皮の視点から
Project/Area Number |
18590795
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Research Institution | The Cardiovascular Institute |
Principal Investigator |
山下 武志 The Cardiovascular Institute, 循環器科, 研究本部長 (20302721)
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Keywords | 心房細動 / 心房内皮 / RAS / スタチン / 脳梗塞 |
Research Abstract |
1.基礎的研究 心房細動の発症危険因子とされる加齢、高血圧、糖尿病モデルにおける心房内皮障害をtissuefactor pathway inhibitor(TFPI)、thrombomodulin(TM)、eNOS、ならびにPAI-1という分子発現の視点から検討し、洞調律においてすでにこれらの危険因子が心房内皮障害を引き起こしていることを確認した。心房細動自身によって引き起こされる心房内皮障害に対するAT1受容体拮抗薬であるolmesartanの効果を検討したところ、olmesartanは用量依存的にTFPI、TM、eNOSのdownregulationならびにPAI-1のupregulationを効果的に抑制することを明らかにした。 2.臨床研究 前向きコホート研究であるShinken Database 2004-5を用いて、心房細動患者を抽出しRAS抑制薬ならびにスタチンの効果を検討した。データベース4255名中、初診時心房細動を呈したものは657名存在した。この心房細動患者、ACE阻害薬もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬を服用していた患者は91(13.9%)名であり、観察期間中の脳梗塞発生はRAS抑制薬服用群で1名(1.1%)、非服用群で5名(0.9%)に観察されたが、発生頻度の有意な差はなかった。一方、statin服用について解析すると、服用患者は56名(8.5%)存在し、観察期間中の脳梗塞は服用患者群で0名(0%)、非服用患者群で6件(0.9%)であり、statin服用患者で脳梗塞発生が少ない傾向にあったが有意な差は認められなかった。
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