2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタノイドの血管病変形成における役割-骨髄細胞分化に及ぼす影響-
Project/Area Number |
18590798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
川辺 淳一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10400087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛首 文隆 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50243035)
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Keywords | 動脈硬化 / 骨髄細胞 / 再生医学 / プロスタノイド |
Research Abstract |
我々は,"PGは骨髄前駆細胞の血管系細胞への分化増殖に作用し、動脈硬化病変進展に関与する。"という仮説をたて,以下の目的をあげて,研究を行っている. 目的1:血管病変におけるPGの骨髄由来の細胞への関与を明らかにする 目的2:骨髄前駆細胞の内皮、平滑筋細胞分化へのPGの作用機序を明らかにする 18年度は,(1)骨髄移植モデルの作成;donor由来の骨髄細胞を98%以上移植させることの成功した. これによりプロスタサイクリン受容体IP欠損骨髄をもつマウスモデルを準備した. (2)大腿動脈障害による血管リモデリング;上記マウスモデルを用いて,骨髄のIP欠損有無による血管リモデリング形成への影響を検討した.この一連の研究から「骨髄のIP欠損は,血管リモデリング増悪に重要であること」をあきらかにした-(日本循環器学会(神戸),March,2007) (3)血管リモデリング部位での骨髄由来細胞の同定;性不一致骨髄移植後,Y染色体遺伝子含有細胞をin situ hybridizationで同定した.この結果,「骨髄にIP欠損は,障害血管部位に取り込まれる骨髄由来の平滑筋細胞が増加,障害血管内壁での内皮化修復が激減する」ことをあきらかにした.(日本薬理学学会(名古屋)-March,2007) 以上から,18年度中に,予定通り,骨髄IPが,血管障害で誘発する血管リモデリング形成において重要な役割をはたすこと,この現象に骨髄由来の血管細胞の働きの異常が関与することが明らかにすることができた. 今後,骨髄および血中の血管前駆細胞の同定(in vitroでの平滑筋および内皮分化誘導培養システム)を構築し,IPの血管前駆細胞の分化作用を明らかにしていく予定である.
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