2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタノイドの血管病変形成における役割-骨髄細胞分化に及ぼす影響-
Project/Area Number |
18590798
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
川辺 淳一 Asahikawa Medical College, 医学部, 特任准教授 (10400087)
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Keywords | 動脈硬化 / 骨髄細胞 / 再生医学 / プロスタサイクリン |
Research Abstract |
我々は, "PGは骨髄内皮前駆細胞(EPC)の血管系細胞への分化増殖に作用し、動脈硬化病変進展に関与する。"という仮説をたて, 以下の目的をあげて, 研究を行ってきた 目的1 : 血管病変におけるPGの骨髄由来の細胞への関与を明らかにする 目的2 : 骨髄前駆細胞の内皮、平滑筋細胞分化へのPGの作用機序を明らかにする 17-18年度は, 骨髄選択的にプロスタサイクリン受容体欠損させたマウスを利用して、「骨髄のIP欠損は, 血管リモデリング増悪に重要であること」をあきらかにし、19年度から最終年度にかけて、「骨髄由来内皮前駆細胞(EPC)の機能維持にプロスタノイドなかでも、プロスタサイクリン(PGI2)系が重要な役割をはたすこと」、さらに、骨髄特異的にプロスタサイクリン受容体(IP)を欠損させたマウス実験動物を用いて、「血管リモデリング、末梢虚血などの病態にEPCのPGI2/IP系が重要であること」を明らかにし、本研究申請目標のほとんどを達成したものと考える。なお、本研究の成果のうち、(1)血管リモデリングに関する研究は、すでに投稿中である。(2)末梢虚血性疾患におけるEPCに関する研究は、現在投稿準備中である。 本研究の成果として重要な点として、強力な抗動脈硬化作用をもつPGI2の、新たな作用機序を明らかにしたこと、ユニークな実験動物モデルの作成により、in vivo各種病態でのEPCの役割、重要度などを明らかにしたこと。また、すでに臨床利用されているIP刺激薬のさらなる応用性についても提唱した点も重要である。
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