2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外ドメインシェディング誘導の新規分子機構と、その病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
18590809
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 英一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30362528)
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Keywords | 細胞外ドメインシェデ / 膜蛋白質 / 増殖因子 / サイトカイン / メタロプロテアーゼ / Nardilysin / ADAMプロテアーゼ / 成長障害 |
Research Abstract |
膜近傍部での蛋白分解により、膜蛋白質の細胞外ドメインが不可逆的に切断される現象を、細胞外ドメインシェディングという。我々は、ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)の新規結合蛋白質としてメタロプロテアーゼM16ファミリーに属するnardilysin(NRDc)を単離同定したが、最近NRDcがHB-EGF膜結合型前駆体のシェディングを増強することを明らかにした(Nishi他JBC 2006).NRDcはHB-EGFおよびADAM17(TACE)と複合体を形成し、TACEの活性化を介してHB-EGFのシェディングを増強した。更に、NRDcのシェディング増強効果はHB-EGFに限定されず広範な膜蛋白質に及ぶこと、NRDcはTACE以外のADAM蛋白の活性も増強することを示し,これまで不明であったADAM蛋白質、そして細胞外ドメインシェディングの活性化機構の一端を明らかにした。一方、我々はごく最近NRDc欠損マウスの作製に成功したが、同ホモ接合体は、顕著な成長遅延を呈した(下図)。今回の研究期間で、目的1)NRDc欠損マウスの表現型を詳細に解析し、成長遅延を呈するメカニズムを解明すること、目的2)疾患モデルマウスを用いてNRDc-TACEによるシェディング誘導の病態生理学的意義を解明することを目指す。NRDc-シェディング-個体の発育という未知のリンクを解明すること、特にこれまで生物学的機能が不明であったプロテアーゼ(NRDc)が、いかにして個体発育という生命現象の根幹を制御しているかを明らかにすることで、タンパク質分解研究における新たな展開を推進したい。
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Research Products
(1 results)