2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
力武 良行 神戸大学, 医学系研究科, 助手 (50419488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 光宏 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (40135794)
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Keywords | 血管内皮細胞 / ROCK1 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
1.血管内皮特異的ROCK1欠損マウスの作製 マウス作製中である。 2.血管リモデリングにおけるROCK1の役割 血管リモデリングは、高血圧、炎症、動脈硬化における血管病変の形成、進展に重要な役割を果たしている。血管リモデリングにおけるROCK1の役割について、総頸動脈結紮モデルを用いて野生型マウスとROCK1ヘテロ欠損マウスを比較検討した。総頸動脈結紮後28日後において、野生型マウスでは結紮部近位側に著明な血管壁の肥厚と内腔狭窄をきたしたが、ROCK1ヘテロ欠損マウスでは、血管壁の肥厚は優位に抑制されており(21800±3400versus4200±400μm^2,P<0.01)、それに伴い、内腔狭窄も優位に抑制されていた(43300±7800versus19600±5200μm^2,Pく0.01)。また、対側のsham手術側の総頸動脈には両群間ともに病変を認めなかった。血圧は両群間に差を認めなかった。結紮後3日後及び、7日後に血管内皮へ接着した白血球の数を計測したところ、野生型マウスに比べ、ROCK1ヘテロ欠損マウスにおいて、接着した白血球の数は優位に少なく、ROCK1ヘテロ欠損マウスでは血管炎症が軽減していると考えられた。結紮後14日後において、PCNA染色により、血管平滑筋細胞を主とした血管壁細胞の増殖能を評価したところ、野生型マウスに比べ、ROCK1ヘテロ欠損マウスにおいては新生内膜、中膜どちらにおいても増殖能が優位に低下していた。両群マウスより、血管内皮細胞を初代培養し、ROCKキナーゼ活性を測定したところ、ROCK1ヘテロ欠損マウスより得た血管内皮細胞は野生型マウスより得た血管内皮細胞に比べ、優位にROCKキナーゼ活性が低下していた。それに伴い、血管内皮細胞における接着分子ICAM-1やVCAM-1の発現もROCK1ヘテロ欠損マウスより得た血管内皮細胞において減弱しており、ROCK1ヘテロ欠損マウスにおける白血球の接着抑制の一因と考えられた。また、同様に、両群マウスより、血管平滑筋細胞を初代培養し、ROCKキナーゼ活性を測定したところ、ROCK1ヘテロ欠損マウスより得た血管平滑筋細胞は野生型マウスより得た血管平滑筋細胞に比べ、優位にROCKキナーゼ活性が低下していた。
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