2007 Fiscal Year Annual Research Report
SHP-1RNA干渉を用いた新たな遺伝子血管新生療法の研究
Project/Area Number |
18590817
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅野 公浩 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 准教授 (20206395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾山 純一 九州大学, 大学病院, 助教 (30359939)
樋口 義洋 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (40404032)
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Keywords | 血管新生 / チロシンフォスファターゼ / SHP-1 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は、そのレセプターであるKDR/flk-1を介して血管内皮細胞を増殖させる。KDR/flk-1は、チロシンキナーゼドメインを持ち、リン酸化されることにより活性化される。一方、SHP-1は細胞内チロシンフォスファターゼであり、レセプターのリン酸化を抑制する。ラット下肢虚血モデルを用い、small interfering RNA(siRNA)によりSHP-1を抑制することで、KDR/flk-1のリン酸化を促進させ血管新生を起こすか検討した。雄ウィスターラット(250-300g)の左大腿動脈を結紮、切断し、末梢血管虚血モデルを作成した。直後に200ugのSHP-1siRNA又はscramble siRNAを腓腹筋に注射した。腓腹筋のSHP-1mRNAおよびSHP-1蛋白は、scramble siRNA注射のラットでシャム手術のラットに比し、有意に増加していたが、SHP-1siRNA注射のラットでは、その増加が有意に抑制されていた。腓腹筋のVEGFは、シャム手術のラットでは発現が見られなかったが、scramble siRNA及びSHP-1siRNA注射のラットでは有意に増加し、両群間に有意差はなかった。SHP-1 siRNA注射群では、KDR/flk-1のチロシンリン酸化が、scramble siRNA注射群に比し、有意に増加していた。最後に、虚血21日後の免疫組織学的検討において、SHP-1 siRNA注射のラットではscramble siRNA注射のラットに比し、血管内皮細胞が有意に増加していた。下肢虚血において、増加したSHP-1をSHP-1 siRNAにより抑制することは、KDR/flk-1を活性化することにより、血管新生を起こすことが示唆された。
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Research Products
(4 results)