2007 Fiscal Year Annual Research Report
心血管ストレス伝達分子としてのCa依存性チロシンリン酸化酵素PYK2の役割
Project/Area Number |
18590822
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
沖垣 光彦 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (10333197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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Keywords | FGF / チロシンキナーゼ / FGF受容体 / 血管新生 / 細胞遊走 / アポトーシス |
Research Abstract |
各種の心血管系ストレス疾患にRedox/Ca感受性チロシンキナーゼPYK2の及ぼす役割を,明らかにし、その制御による新しい治療法の開発の可能性を探ることを目的とした。心血管疾患モデルとして、(1)ApoE欠損マウスと交配しApoE/PYK2ダブル欠損マウス(動脈硬化モデル)、(2)大腿動脈結索による下肢虚血モデル及び、冠状動脈結索による心筋虚血・再還流モデル(3)大動脈結索、心血管ストレス環境下で産生される代表的なサイトカインであるアンギオテンシンIIによる心圧負荷モデル(4)大腿動脈のワイヤー障害による内皮細胞障害モデルを作成し、その表現型を野生型マウスと比較する。これらの心血管疾患モデルを用いて、PYK2が、それぞれ(1)動脈硬化ストレスでの炎症細胞とプラーク形成、(2)虚血ストレスでの血管新生と心筋再生・アポプトーシス、(3)圧負荷、酸化ストレスを介した心筋肥大、(4)内皮細胞障害後の内膜増殖と内皮再生、に促進的に関与していることがあきらかとなった。分子レベルではPYK2が、1)血管内皮前駆細胞の細胞遊走および、2)サイトカイン産生にかかわる分子機序の解明、および、動脈硬化などの血管疾患を促進させるアンギオテンシンII作用の促進を引き起こすことがわかった
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