2006 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ペプチドの細胞分化促進作用を応用した新しい動脈硬化治療法の開発
Project/Area Number |
18590829
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
堀尾 武史 国立循環器病センター(研究所), 内科高血圧腎臓部門, 医員 (50393228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 一郎 国立循環器病センター(研究所), 内科動脈硬化代謝部門, 医員 (80312221)
寒川 賢治 国立循環器病センター(研究所), 研究所, 所長 (00112417)
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Keywords | 動脈硬化 / ナトリウム利尿ペプチド / 平滑筋細胞 |
Research Abstract |
本年度の計画に従い、我々はまずマウス大腿動脈ワイヤー傷害部位におけるナトリウム利尿ペプチドファミリー(ANP、BNP、CNP)の受容体の発現について検討した。方法としてはANP、BNPの受容体であるGC-A、およびCNPの受容体であるGC-Bの発現を、ワイヤー傷害後3週間の大腿動脈組織切片を用いて免疫組織染色を行った。その結果、動脈硬化部位である新生内膜においてはGC-A、GC-Bともに発現がみられたが、GC-Aがより多く発現していた。なお、同時に行ったα-SMAの免疫組織染色により、新生内膜は主として平滑筋細胞によって構成されていることが確認された。このモデルにおける新生内膜構成平滑筋細胞は、骨髄由来単核球が分化したものであることが報告されており、今回の実験結果を受けて、我々はヒト全血より末梢血単核球を分離培養し、血管平滑筋細胞まで2週間かけて分化させ、ANP、BNP、CNPで刺激することにより、それらのセカンドメッセンジャーである細胞内cyclic GMPが上昇するか検討した。その結果、ANP、BNP刺激にて細胞内cyclic GMPは濃度依存性に著しく上昇し、CNP刺激ではわずかに上昇した。この結果は、動物実験の結果と一致するものであった。さらに、野生型マウスおよびGC-A遺伝子欠損マウスで大腿動脈ワイヤー傷害を作成してみると、新生内膜形成はGC-A遺伝子欠損マウスにおいて野生型に比べ促進されている傾向があった。以上の結果より、心臓で産生されるANP、BNPが動脈硬化を抑制している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)