2008 Fiscal Year Annual Research Report
レジオネラ菌無作為遺伝子変異法を用いたレジオネラ肺炎重症化機序の解明
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18590832
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 利明 Tohoku University, 病院, 講師 (10280926)
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Keywords | 重症肺炎 / レジオネラ肺炎 / 無作為遺伝子変異法 |
Research Abstract |
レジオネラ菌(Legionella pneumophila)は細胞内寄生性を特徴とするグラム陰性桿菌で、集中治療室管理が必要な重症肺炎の起炎菌として、しばしば臨床的問題となっている。しかしレジオネラ菌が、外来抗菌薬治療が可能な軽症肺炎の起炎菌となることは少なく、『なぜレジオネラ肺炎が重症化しやすいのか』はよくわかっていない。そこで当該研究課題では、レジオネラ肺炎が重症化しやすい要因として、レジオネラ菌による細胞傷害作用に着目し、トランスポゾンを用いてレジオネラ菌の無作為遺伝子変異株を作製することによって、この分子機構の解明を目指すものである。研究最終年度にあたる本年度は、初年度と二年度に選択した11株のレジオネラ菌遺伝子変異株において変異遺伝子の同定を行った。その結果、レジオネラ菌ゲノム(ACCESSION NC_002942/3, 397kb)上500kb付近に5遺伝子と、同じくレジオネラ菌ゲノム上3,000kb付近に2遺伝子、計7個の責任遺伝子が同定された。これらはレジオネラ菌において菌外への分泌機構に関わっていることが知られている遺伝子だったため、なんらかの分泌因子がレジオネラ菌より分泌され、これによってレジオネラ菌の細胞障害作用が発揮されているものと考えられた。そこで、33個の既知の分泌因子について、その細胞障害作用を調べてみた。しかし、いずれにもその活性は認められず、これ以外の分泌因子が関わっているものと考えられた。
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Research Products
(7 results)