2006 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌患者に誘導された免疫寛容打破を目的とした画期的抗腫瘍免疫療法の開発
Project/Area Number |
18590841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
各務 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (30418686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (50282984)
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Keywords | 小細胞肺癌 / 制御性T細胞 / 抗腫瘍エフェクターCD4T細胞 |
Research Abstract |
小細胞肺癌患者末梢血液中単核球(PBMNC)における、effector T細胞(CD62L^<low>CD4^+,CD62L^<low>CD8^+)と、制御性T細胞(Treg, CD62L^<high>CD4^+CD25^+)の比率と病期、病態の関連について解析を進めている。現在までに、健常者(HV)18名、限局型小細胞肺癌患者(LD)21名、進展型小細胞肺癌患者(ED)17名、再発患者8名、長期生存小細胞肺癌患者(LS)10名の解析を終了している。治療中の患者については、化学療法介入後のPBMNCの解析も進めている。今後さらなる症例の集積を予定している。 これまでに、CD62L^<high>CD4^+CD25^+T細胞分画が末梢血液中のFoxP3陽性細胞分画とほぼ一致すること、この細胞は共培養によりeffector型CD4^+,CD8^+T細胞のサイトカイン産生、増殖を抑制するなど、Tregとしての機能を有していることを確認している。また、手術適応のあったLD患者より摘出癌組織を得た上で行ったサイトカインアッセイでは、PBMNCより得られたCD62L^<low>CD4^+及びCD62L^<low>CD8^+T細胞が腫瘍抗原特異的なIFNγ産生を行うことを確認した。LDにおいて治療前には、ED, HVに比して有意に多数のeffector型CD4^+T細胞(Teff)が存在しており、HVと同程度のTregのみが見られること、一方、EDにおいてはLD, HVに比して有意に多数のTregが見られるもののTeffはHVと同程度であることが示されてきている。 これらの結果は、平成18年9月に行われた日本癌学会学術総会において発表した。
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