2007 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌患者に誘導された免疫寛容打破を目的とした画期的抗腫瘍免疫療法の開発
Project/Area Number |
18590841
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
各務 博 Niigata University, 医歯学系, 助教 (30418686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (50282984)
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Keywords | 小細胞肺癌 / 制御性T細胞 / 抗腫瘍エフェクターCD4 T細胞 |
Research Abstract |
小細胞肺癌患者末梢血液中単核球(PBMNC)における、effector T細胞(CD62L^<low>CD4^+,CD62L^<low>CD8^+)と、制御性T細胞(Treg,CD62L^<high>CD4^+CD25^+)の比率と病期、病態の関連について解析を行った。この結果、遠隔転移のない限局型では、進展型の症例や健常者に比して有意に多数のeffector型CD62L^<low>CD4^+T細胞(Teff)が存在しているが、Tregは健常者に比しても増加していないこと、一方、遠隔転移を持つ進展型では、有意に多数のTregが見られるもののTeffは健常者と同程度であることが明らかとなった。さらに、限局型小細胞肺癌患者から得たTeffは健常者、進展型患者に比べてIL-17産生能が高く、Th17タイプのT細胞を多く含んでいることが示唆された。次に、動物モデルにおいてeffector型CD4^+T細胞を養子移入し、腫瘍関連抗原に対するTeff/Tregバランスを限局型小細胞肺癌患者typeに変化させることで抗腫瘍効果を得られるか検討した。In vitroで腫瘍細胞と樹状細胞の融合細胞を抗原提示細胞として使用し、ナイーヴT細胞と共培養することでphenotypeがCD62L^<low>に変化したeffector T細胞を用いた実験では、メラノーマ肺転移モデルにおいて抗腫瘍効果を示し、これを論文として発表した。また、モデル抗原としてOVAを使用した実験では、樹状細胞に対してTeff優位のバランスを保つことによって、同時に取り込んだ腫瘍抗原提示が増強し抗腫瘍効果を得られた。この時、Th2タイプの細胞は抗腫瘍効果を増強しないが、Thl,Th17タイプの細胞は同等に抗腫瘍効果を増強することが明らかとなった。これらは、American Association for Cancer Research及び癌学会学術総会において発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Generation of anti-tumor effector T cells from naive T cells by stimulation with dendritic/tumor fusion cells.2007
Author(s)
Akira Ishida, Hiroshi Tanaka, Toru Hiura, Satoshi Miura, Satoshi Watanabe, Koki Matsuyama, Hideyuki Kuriyama, Junta Tanaka, Hiroshi Kagamu, Fumitake Gejyo, Hirohisa Yoshizawa
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Journal Title
Scandinavian Journal of Immunology 66
Pages: 546-554
Peer Reviewed
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