2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌検診における新規腫瘍マーカー・分子マーカーの有用性研究
Project/Area Number |
18590849
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
清水 英治 Tottori University, 医学部, 教授 (50187449)
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Keywords | 肺癌検診 / 血清 / 腫瘍マーカー / ProGRP / ULBP-2 / p53自己抗体 |
Research Abstract |
従来の肺癌腫瘍マーカーではその感度、特異度の低さから検診受診者を対象として有用性が証明されたものは見つかっていない。そこで本研究はいまだ検診における有用性が検討されたことのない腫瘍マーカーと、我々が独自に見いだした血清中肺癌マーカーを肺癌検診受診者の高危険群において同意を得たうえで測定し、その早期発見における有用性を検討することを目的としている。本研究では小細胞癌マーカーとしてProGRP、非小細胞癌マーカーとして癌細胞表面蛋白質であるULBP2等をウエスタンブロット法、ELISA法により測定する。測定対象者は鳥取県の肺癌検診受診者の高危険群8500人で、血清は一般検診で採取したものの一部を同意を得て使用する。測定後、経年的に受診者の罹患状況を鳥取県癌登録事業にて調査し、これらマーカーの有用性を検討する。 本年度は(1)検診受診者の募集方法をさらに拡大し、腫瘍マーカーを無償で測定し、結果を返却するかわりに喫煙状況をはじめとした詳細な臨床情報提供を受ける新たな募集形態を構築した。この新募集形態で男性125名(76.7%)、女性38名(23.3%)が募集できた(46.0±10.5歳)。うち喫煙歴のある者は101名(62%)(男性94名、女性7名)であった。喫煙指数の平均は489.8であった。(2)ProGRPを測定では20.0pg/mL以上の軽度上昇を認める例が2例存在し、いずれも非喫煙の女性であった。基準値(46.0pg/mL未満)を超えた者はいなかった。(3)またULBP-2も測定したが、その結果2-10ng/mlが5例、10-100ng/mlが3例、100ng/ml以上の高度上昇者1例を認めた。 これら受診者からの肺癌の発生状況を今後さらに追跡調査することによって、今回測定した各種血清マーカーの臨床的意義がより明らかになると考えられる。
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