2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対するHM1.24抗原を標的とした特異的免疫療法の開発
Project/Area Number |
18590855
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西岡 安彦 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70274199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊河 宏章 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (50263827)
|
Keywords | 肺癌 / 癌抗原 / 抗体 / 特異的免疫療法 |
Research Abstract |
研究計画に沿って、HM1.24抗原ペプチドによる細胞障害性T細胞(CTL)の誘導を試みた。新規ペプチドも含めてCTL誘導能を検討した結果、以前に我々が同定したHM1.24-165ペプチドのCTL誘導効果が最も高いことが明らかとなった。一方、マウスーヒトキメラおよびヒト化抗HM1.24抗体による抗体依存性細胞障害活性(ADCC)および補体依存性細胞障害活性(CDC)について検討した。エフェクター細胞としてヒト末梢血単核球(MNC)を用いた検討では、キメラ抗体およびヒト化抗体ともに、マウス抗体で見られたADCC活性に比較し、強力な細胞障害活性を示した。ヒト化抗体に比較してキメラ抗体がより強くADCCを誘導した。一方、これらのADCCはリンパ球(NK細胞)によって誘導されており、単球によるADCC活性は非常に低かった。また、肺癌細胞表面に発現するHM1.24抗原量とADCC活性の間には正の相関関係を認めた。ヒト末梢血リンパ球を、インターロイキン(IL)-2、IL-12,IL-15で培養することによってADCC活性の増強を認めた。さらに、肺癌細胞を、インターフェロン(IFN)-β、-γで処理することにより、HM1.24抗原発現量の増加とともにADCC活性の増強が観察された。 一方、肺癌患者末梢血MNCを用いて抗HM1.24抗体によるADCC活性を検討した結果、肺癌患者MNCにおいても、健常人と同等のADCC誘導能が観察された。IL-12あるいはIL-15によるMNCの培養によって、ADCCの増強を認めた。特にADCCの低い例では、IL-12およびIL-15による活性増強が著明であった。 以上の結果から、マウスーヒトキメラおよびヒト化抗HM1.24抗体の肺癌治療への応用の可能性が示唆された。また、ワクチン療法としての展開には、HM1.24-165ペプチドが有効であることが再確認された。
|
Research Products
(6 results)