2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺の分化制御機構の解明:Notch、Stat 経路を中心に
Project/Area Number |
18590859
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇高 直子 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (90285106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70168392)
市村 隆也 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40423652)
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Keywords | 肺 / シグナル伝達 / Notch シグナル / 細胞分化 |
Research Abstract |
我々は、肺でNotch シグナルが活性化されると、basic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子のHes の転写が促進されること。その結果、型転写因子 Hash1 を抑制し、神経内分泌の形質が抑制されることを明らかにしてきた。 肺小細胞癌では、Notch-Hes シグナル系が抑制されており、その結果 Hash1 が過剰発現して神経内分泌の形質を生じていることを示してきた。Hes1,Hash1 いずれのknock outmouse も致死性であるため、肺の細胞分化を明らかにするためには、肺特異的なプロモーターを上流に持つ Cre-LoxP システムを有するマウスの作製が不可欠である。また、Stat3 は活性化の有無が細胞分化においては重要で、その鍵となる因子の1つがHes と考える。そこで、本研究では、clara cell protein 10(CC10) プロモーターを上流に持つマウスを使用して、正常肺気道上皮細胞の分化をNotch-Stat 経路を中心して、明らかにすることを目的としていた。培養細胞株の実験では、肺小細胞癌では Stat3 の活性化が弱く、Hes1 の発現もほとんど認められない。また、強制発現、阻害実験を行うことにより、stat3 が肺の気道上皮細胞及び肺小細胞癌の神経内分泌の形質の発現に強く関与している結果を得ることができた。また、本研究によりCC10 プロモーターマウスを用いた肺気道上皮細胞特異的なマウスの系の基盤を作製することができた。今後SP-C プロモーターマウス作製していきたいと考える。
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