2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌Twitching motilityの遺伝子機能阻害-RNAiによる治療
Project/Area Number |
18590860
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
門田 淳一 Oita University, 医学部, 教授 (50233838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 建志 大分大学, 医学部, 助教 (20347024)
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Keywords | 緑膿菌 / Twitching motility / RNAi / バイオフィルム / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
1)Twitching motilityをtargetにしたsiRNAの設計:当教室で保有するTwitching motility欠損株と同じ遺伝子pilH, pilI, pilJ, pilKおよび線毛構成蛋白pilA遺伝子をtargetにしてsiRNAの設計を計画した。各緑膿菌遣伝子のシークエンスはhttp://www.pseudomonas.comより調べ、Web上の設計ソフト(http://design.rnai.jp)をもとにsiRNAをデザインした。各々のsiRNAをSIGMA Genosys siRNA Serviceに発注して合成した。 2)Twitching motility抑制効果の実験:液体培地にsiRNAを加えて緑膿菌PAO-1株に受動的に作用させた(37℃、4時間静置培養)実験ではpilK抑制siRNAのみ79±9%(対Control比)の抑制効果を得たのみでpilH, I, Jでは十分な効果を得られなかった。次にpilK抑制siRNAを用い、能動的に菌体への取り込みを促すために、大腸菌電気穿孔法を応用した。緑膿菌濃縮液(10%グリセロール加、2×10^<10>細胞数/ml)液を作成して、ジーンパルサー(Bio-Rad社)にて同液40μ1にsiRNA10μ1をくわえ、2.5kVにて通電した後、SOC培地にて1時間振盪培養を行った。siRNAを加えず通電した菌をcontrolとして2mm厚の2%寒天含Luria-Betani培地の中央底に近を接種して、37℃,48時聞培養して形成されるtwitching zoneの最長半径を比較した。 3)結果:Controlに比してsiRNA添加群ではtwitching抑制効果を得られていたが、抑制効果の発現率は60%前後ですべての菌体にsiRNAが取り込まれなかった。また電気穿孔法をin vivoで再現することは困難であり、緑膿菌は大腸菌より細胞壁が厚く、また細胞壁内蛋白が多く、複雑な菌体内環境の維持効果があると考えられていることからsiRNAを菌体内へ導入することは本期間内では難しく、今後他の方法を含めて再検討が必要である。
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