2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺の力学強度マップ作製の試み-細葉中心型肺気腫の上肺野からの発症機序の解明
Project/Area Number |
18590862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90364059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 茂芳 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90273911)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80271203)
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
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Keywords | ヒト肺 / 細葉中心型肺気腫 / 力学強度マップ / コラーゲン線維 |
Research Abstract |
緒言:喫煙と関連が深い細葉中心型肺気腫は、上肺野から発症することが知られているが、その機序は解明されていない。正常な肺でも、呼吸運動という力学負荷に対して、コラーゲン線維をはじめとした・肺胞支持組織の再構築がおこっているとの仮説を立てた。呼吸運動は上肺で小さく、下肺で大きい。上述の仮説に基づけば、呼吸運動の大小に応じて、力学強度は上肺が小さく、下肺が大きくなるように支持組織が再構築されると考えられ、喫煙により脆弱化した肺胞構造は、上肺から破壊され、細葉中心型肺気腫が上肺から発症する機序を説明することができる。この仮説を立証すべく、ヒト肺における力学強度マップを作製し、部位により力学強度が異なることを実証し、細葉中心型肺気腫の発症・進展機序を解明する手がかりを得ることが本研究の目的である。 実験:ヒト肺を用いた引っ張り試験方法の確立 力学強度は引っ張り試験を用いて評価する。引っ張り試験とは、シート状のサンプルを垂直方向に破断するまで伸展させて、その力学強度を測定する方法である。ヒト肺サンプルを用いた引っ張り試験方法を確立することが平成18年度の目的である。 サンプルの調製:手術で摘出したホルマリン固定された肺を使用した。すでに確立しているコラーゲン配向性測定用ヒト肺サンプル調製法(Tomoda, K.et al Cell Mol Biol,2007)を用いて1mm厚5cm四方のシート状肺サンプルを調製した。 引っ張り試験:サンプルが破断するまで伸展させる試験であり、ヒト肺における引張り試験に適したサンプルの大きさ、負荷量、引っ張り速度を決定する。 結果:5mm×15mmの大きさの肺サンプルを500gfで5mm/分速度の引張り負荷をかけることでサンプルの破断限界、伸展度を測定することが可能であった。 次年度:系統解剖で用いた健常肺を標本とし、力学強度マップを作製する。
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Research Products
(4 results)