2006 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγを介した慢性閉塞性肺疾患の気道・肺炎症の制御に関する研究
Project/Area Number |
18590863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山縣 優子 (原田 優子) 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90347592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東本 有司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70316115)
山縣 俊之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80285410)
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Keywords | 性閉塞性肺疾患 / 気道炎症 / PPARγ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本年度はCOPD患者、呼吸機能正常喫煙者、非喫煙者において、末梢血を採取し、好中球の分離を行ったうえで、PPARγの蛋白発現についてフローサイトメトリーを用いた検討を試みたが、これまでのところ各群において、有意なPPARγ蛋白発現の差は認められていない。また、好中球内のPPARγのmRNA発現についても検討を行っているが、やはりこれまでのところ明らかな有意差は認められていない。さらに臨床的検討として、糖尿病を合併しているCOPD患者において、その治療として外因性のPPARγリガンドであるインスリン抵抗性改善薬pioglitazoneを投与し、自覚症状や呼吸機能、健康関連QOLの変化について、pioglitazone非投与群の患者と比較検討を行っているが、現時点ではpioglitazone投与による明らかな自覚症状の改善効果や、呼吸機能の悪化の抑制効果は認められていない。また、COPDにおける慢性炎症に対するpioglitazoneの効果を評価する目的で、最近COPDの病態との関連が報告されている血清中の高感度CRPの測定も行っているが、やはり現在までのところ、pioglitazone投与による明らかな抗炎症効果は認められていない。今年度はさらに症例を増やして、引き続き同様の検討を行い、COPDにおけるPPARγ発現について、健常者との違いについて明らかにしていくとともに、糖尿病合併COPD患者において、pioglitazoneによる治療を継続し、投与の有無によるCOPDの病態進展への影響について検討を行っていく予定である。
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