2007 Fiscal Year Annual Research Report
線毛上皮への分化誘導による気道杯細胞増生の治療法の開発
Project/Area Number |
18590867
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
近藤 光子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 講師 (50178430)
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Keywords | 杯細胞 / 線毛細胞 / インターロイキン13 / ムチン / 細胞変換 / 喘息 / リモデリング |
Research Abstract |
1.抗原感作喘息リモデリングの抑制効果の検討;Hartlev系雄モルモットに卵白アルブミンを腹腔内に1週間毎に4回反復投与し、著明な杯細胞増生モデルを作製した。また抗原投与時に、Th2阻害薬、抗IL-13抗体、ステロイドを投与し、杯細胞増生の抑制効果を検討した。取り出した気管、気管支をホルマリン固定し、PAS/Alcian blueで染色し、コンピューター画像解析装置にて粘液の面積を測定した。Th2阻害薬、IL-13抗体、ステロイドにより粘液の面積の低下を認め、杯細胞増生の抑制が観察された。また透過型電顕にて粘液顆粒と線毛の両方を有するTransition phenotypeの出現を認めた。 2.培養細胞を用いた検討;モルモット気道上皮細胞をIL-13下でair-interface法で培養し、著明な杯細胞系を作成した。その後、 IL-13を除去、またはIL-13抗体を添加し、杯細胞と線毛細胞の数の推移を観察した。その結果、杯細胞が減少し線毛細胞が増加し、ELISA法によって測定したMUC5ACの産生量も低下した。電顕、免疫染色にて粘液顆粒と線毛の両方を有するTransition phenotypeの出現をみた。さらにBrDUのよる取り込みが増加していないことから増殖の関与は乏しく、また形態学的にアポトーシスの関与も軽度で、杯細胞から線毛細胞へのTransitionが推測された。 3.気道上皮細胞は可塑性を有し、喘息リモデリングによる杯細胞増生に対して抗IL-13療法は杯細胞から線毛細飽への変換を促す可能性が示唆された。
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