2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺気道前駆細胞から肺神経内分泌細胞への分化制御機構の解明
Project/Area Number |
18590868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 勇二 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20154875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 滋 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10266900)
広瀬 秀徳 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (80398817)
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Keywords | 低酸素 / 細胞分化 / コラーゲン / 肺上皮 / 神経内分泌 |
Research Abstract |
肺神経内分泌細胞(PNEC)は肺上皮の形成と維持に重要な機能を担っており、神経内分泌細胞への分化機構の解明は、正常な肺発達や肺疾患の病因の理解と治療法の開発に重要と考えられる。しかし、その分化機構は不明な点が多い。 申請者は、このヒト胎児肺由来の上皮幹細胞を用いて、in vitroで神経内分泌細胞へ分化する条件を検討した。培養条件を検討し、5日間のコラーゲンゲル上での培養と、それに引き続く4日間の低酸素培養が神経内分泌細胞への分化に必須であることを明らかにした。この、分化過程で、神経内分泌細胞に観察される細胞内有芯還元顆粒の出現をグリメリウス法を用いて検出することに成功した。さらに、セロトニン合成の律速段階であるトリプトファン水酸化酵素の誘導が低酸素刺激によってもたらされることをRT-PCR法をもちいて明らかにした。また、クロモグラニンAもトリプトファン水酸化酵素と同様の遺伝子発現パターンを示した。 以上の結果から、「コラーゲンゲル培養により第1段階の神経内分泌細胞への分化の活性化が起こり、その後、低酸素培養により第2段階目の活性化を受けて、ヒト胎児気道上皮細胞(HFBE)は神経内分泌細胞へと分化する。」ということが一部示唆された。
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