2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺の慢性上皮傷害病態における発癌分子機構の解明とその制御
Project/Area Number |
18590869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
工藤 翔二 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (40256912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弦間 昭彦 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20234651)
岡野 哲也 日本医科大学, 医学部, 助手 (00339376)
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Keywords | 慢性上皮傷害 / 肺癌 / 特発性肺線維症 / 発癌分子機構 / TGF-β / cDNA / 抗体アレイ / 2D-DIGE |
Research Abstract |
慢性上皮傷害の存在は、多くの腫瘍の癌化過程に大きな影響を及ぼしている。その分子機構を解明し癌予防への道筋を示すことは、期待される重要な研究と考えられる。特に、肺においては、多彩な原因による慢性上皮傷害が存在するが、この臓器における慢性上皮傷害の癌化過程への影響を解明する目的で、各種慢性上皮傷害病変合併肺癌及び対照となる肺癌腫瘍のcDNA arrayによる網羅的発現スクリーニングを進めている。現在、得られた候補因子について、northern blot、Real time RT-PCRにより、発現量の異常を確認している。特に、特発性肺線維症における発癌分子機構の解析途中でTGF-β下流シグナルの因子の発現異常を多く認めた。TGF-βは、特発性肺線維症などにおいて、過剰に発現していることが明らかとなっているため、特に先行し、この役割を明確にする研究を進めている。具体的には、TGF-β感受性を有する気道上皮細胞を用いて、TGF-βの比較的長期刺激による発現の変化をcDNA、2D-DIGE、抗体アレイにより解析し、多数の変動するスポットを得た。これらのスポットについて、質量分析などを含めた解析を行い、mRNA、蛋白レベルで変化している因子を同定した。これらの因子の中から選択した因子の機能解析を行っている。このシグナルの気道上皮に対する働きを解明し、応用可能な予防法や治療法を開発する予定である。
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