2008 Fiscal Year Annual Research Report
各種間質性肺炎における血管、リンパ管の新生とその機序
Project/Area Number |
18590871
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
福田 悠 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (60097037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 准教授 (40096954)
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Keywords | 通常型間質性肺炎 / 非特異性間質性肺炎 / びまん性肺胞傷害 / 血管新生 / 腔内線維化 / ポリープ型腔内線維化巣 / 壁在型腔内線維化巣 / 閉塞型腔内線維化巣 |
Research Abstract |
目的:特発性間質性肺炎は原因不明の間質性肺炎(IP)であり、病理形態学的なパターンの違いにより、臨床的な治療の適応および予後が異なることが知られている。本年は、全体のまとめを行ったが、特に各IPの特徴的な早期線維化巣の型がIPの病理学的構造改築に関与することから、血管新生に関しIPの種別検索に加え、早期線維化巣の型による違いを統計的に検討した。症例と方法:本年度はさらに症例を増やし、生検の非特異性間質性肺炎(NSIP)26例、通常型間質性肺炎(UIP)18例、剖検のびまん性肺胞傷害(DAD)18例で検索した。IPの早期線維化巣には、ポリープ型、壁在型、閉塞型があることが知られており、その型別に血管新生の程度を計測し、定量的検討を行った。結果:肺胞腔内線維化巣として、UIP、DADには壁在型および閉塞型腔内線維化が、NSIPにはこれら3つの種類のすべての肺胞腔内線維化巣がみられた。NSIPでは、UIPおよびDADの早期の腔内線維化巣に比し血管の新生が優位に多く認められた。NSIP自体では、ポリープ型腔内線維化巣が、他の2種類の腔内線維化巣より血管の新生が多く認められた。ただし、ポリープ型腔内線維化巣は後に収縮してコラーゲン球となるが、その時点では、血管は完全に消失していた。考察と結論:NSIPに比し、予後不良なDAD、UIPの早期線維化巣で血管新生が乏しく、NSIPのポリープ型腔内線維化巣は、特に血管の新生が顕著な場所である。ポリープ型腔内線維化巣は、後に収縮しコラーゲン球となり消失するが、特にその過程に細胞外基質の吸収などで重要な働きをしている可能性が示唆される。また、血管新生が乏しいことは、UIP,DADの予後不良に関与している可能性がある。
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Research Products
(3 results)