2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規プロスタグランジントランスポーターOAT-PGのNa輸送調節機構における役割
Project/Area Number |
18590900
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
安西 尚彦 Kyorin University, 医学部, 講師 (70276054)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
|
Keywords | プロスタグラジン / 腎臓 / シクロオキシゲナーゼ / アニオン / トランスポーター / COX-2 / PDZ / PDZタンパク質 |
Research Abstract |
プロスタグラジンは腎臓の種々の生理機能に重要な役割を果たしている。腎臓で最も多く産生されるプロスタグランジンはPGE2であり、これは細胞内の合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)により産生され、細胞外に出て、膜表面にあるレセプターに作用する。プロスタグランジン作用はCOX活性調節による変生量変化が決定する。プロスタグランジンは構造上カルボン酸を持っており、生理的pHではアニオンに分類されるためプロスタグランジンの細胞膜通過には膜トランスポーターが必要となる。最近我々はこのCOX-2発現部位に存在する、新規腎特異的プロスタグランジントランスポーターOAT-PGの同定に成功した。我々はOAT-PGがCOX-2により産生されたPGE2を尿細管中に排出し、管腔側のEP4に作用して同部位でのNa^+輸送調節を行うという、腎尿細管管腔側プロスタグランジン・シグナル系の構成因子ではないか、という可能性を見出すに至った。昨年度の成果を元に本年度は「OAT-PG,COX-2,EP4を束ね、ユニットとしての作用を可能にする細胞内因子の同定」を主たる目的として解析を行った。OAT-PG、COX-2、EP4はそれぞれ遠位ネフロンの管腔側に存在しており、それらは皆細胞内C末端側にPDZモチーフと呼ばれるタンパク質問相互作用への関与が示唆される特徴的アミノ酸配列を持つが、特にユニットの中心をなすOAT-PGをベイトとした腎臓cDNAライブラリーに対する酵母Two-hybrid法によるスクリーニングを施行した。その結果、4つのPDZドメインを持つPDZタンパク質のCIPPの同定に成功した(未発表)。またCIPPの発現部位の解析のために、ウサギを用いて抗マウスCIPPポリクローナル抗体の作成を行い、2種の抗体を得た。本年度の成果が今後のCIPPのOAT-PG輸送複合体の解明に役立つ事が期待される。
|
Research Products
(5 results)