2006 Fiscal Year Annual Research Report
Cre-loxP系を用いた腎尿細管再生過程におけるLIF-STAT3機構の解明
Project/Area Number |
18590902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
門川 俊明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80286484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 耕治 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00129470)
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Keywords | 腎臓 / 再生 / Cre-LoxP / LIF / STAT3 |
Research Abstract |
本研究ではCre-loxPシステムを用いて、再生現象が最も盛んな近位尿細管S3セグメント特異的にLIF-gp130-STAT3シグナルの遺伝子を欠失または過剰発現させたマウスを作製し、尿細管再生における役割を解明することを目的とする。本年度は、近位尿細管S3セグメント特異的なCreマウスとしてAQP7-CreのトランスジェニックマウスとCre存在下にLIF遺伝子が過剰発現されるトランスジェニックマウス(LoxP-LIF)の作製を試みた。 AQP7-Creマウスは15ラインのファウンダーが生まれ、そのうち7ラインにRT-PCRでCreリコンビナーゼの発現が確認できたが、蛋白レベルでは発現が確認できなかった。そこで、CreレポーターマウスであるLoxP-EGFPと交配することによって、EGFPの発現でCre発現部位を可視化した。現時点で解析が終了した5系統ともほぼ同じような発現パターンであり、目的としていたS3セグメントにおける発現は認められず、近位尿細管S1,S2セグメントにpatchyな発現を認めた。また、腎臓以外の臓器での発現は、脂肪、精巣に多かったが、かなり広範な臓器に発現を認めた。以上の結果から本トランスジェニックに用いたAQP7プロモーターは組織特異性を十分に発揮していないと考えられ、他の遺伝子のプロモーターを用いた近位尿細管S3セグメント特異的なマウスの作製をすすめている。 一方、LoxP-LIFマウスについては、αMHC-Creマウスとの交配でスクリーニングをおこない、mRNAおよび蛋白レベルで高発現を認めた3系統が確保できた。その中で、LIFが正常の数千倍発現するLine10を中心に解析を進めている。また、αMHC-Creマウスとの交配で、心筋特異的にLIFを発現させると心臓においてあるPhenotypeが出現しており、現在、この点を解析中である。
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