2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590906
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
富野 康日己 Juntendo University, 医学部, 教授 (60130077)
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Keywords | IgA腎症 / 粘膜免疫 / Th1 / Th2 / TGF-β / GATA-3 |
Research Abstract |
近年、IgA腎症の発症機序に衛生仮説も含めたTh2型免疫反応の重要性が示唆されていることから、Th2型免疫誘導関連転写因子GATA-3遺伝子を導入されたトランスジェニック(GATA-3Tg)マウスを用いてIgAの産生とメサンギウム領域への沈着機序の検討を行った。卵白アルブミン(OVA)とアジュバントとしてアラムを用いで腹腔免疫を行った場合、血清中のIgA抗体価は著明に増加したが、病理組織学的および尿所見からはIgA腎症を呈する所見は認められなかりた。しかし、糊膜免疫にアジュバント作用を示すコレラトキシン(CT)を用い経口免疫を施した場合こは、血清中のIgA抗体価の著明な上昇ばかりでなく、ヒトIgA腎症に類似したIgA・IgA・C3の沈着ならびにメサンギウム細胞の増殖を伴う基質の拡大を認め芯このIgA沈着機序に関わるサイトカインを検討するため、OVA+コレラトキシン経口摂取CATA-3Tgマウスのバイエル板・腸間膜リンパ節および脚蔵におけるサイトカイン産生量をin vitroでのDMA再刺激にて検討した(1)脾藏では、OVA単独経口摂取にてTh1型免疫反応に免疫寛容誘導された、この免疫寛容は恒常的IGF-β産生によるTh1型免疫反応の抑制が誘導されたが、IL-4産生はむしろ亢進していた。(2)しかし、OVA+CT接種で観察された寛容の破綻は、TGF-βの恒常的産生抑制とIL-2やIFN-γ産生といったTh1型免疫反応が回復していた。(3)これは免疫組織学的検索吾こおける組織内CD4+CD25+細胞の陽性と相関していた。 したがって、ヒトIgA腎症では急性期にTh1型反応、潜在期にTh2型免疫反応が働くというこれまでの知見と、今回の実験結果から、発症機序には粘膜免疫を介したTh1/Th2バランスの巧妙な制御が示唆され、本マウスを用いたシステムはIgA腎症の起因物質の同定やより詳細な発症機序を解析する有用なツールとなることが明らがこされ、本研究課題の目的を遂行することが出来た。
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