2006 Fiscal Year Annual Research Report
異種胎児を用いた自己間葉系幹細胞由来クローン腎臓作製法の開発
Project/Area Number |
18590911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
横尾 隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70301538)
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Keywords | 異種移植 / 腎臓再生 / 胎児 / 間葉系幹細胞 / クローン |
Research Abstract |
移植医療の進歩とともにこれまでの治療法で改善が期待できない重症の心不全、肝不全、腎不全などに対し移植により完治が期待できるようになってきている。しかしこの移植医療が一般的にならない理由は、世界的なドナー不足であり、また移植がうまくいった場合でも免疫抑制剤の長期服用が必要となり、これに伴う副作用と戦い続けなければならない。我々はこのドナー不足及び拒絶反応という2つの大きな問題点を克服する究極の治療法として、自分自身の細胞から自己の臓器を作り出すことが出来ないか検討した。 我々脊椎動物はもともとひとつの受精卵であったが、わずかな時間にいろいろな刺激を受け個体へと発生していく。その発生の初期段階においてそれぞれの臓器もわずかな細胞群から非常に複雑な構成単位を形成していく。つまり時間的空間的にプログラムされた多種多様の刺激が3次元的に一分の狂いなく幹細胞に作用することにより個体間で殆ど差がない臓器へと分化していく。そこで発育中の異種の胎児の体内を"臓器工場"として用いることができないか検討した。つまり臓器形成段階の胎児は免疫機能確立前で異種の細胞を拒絶なく受け入れることが可能であるため、外来の幹細胞を生きた胎児の臓器が形成される部位に注入することで、発生段階と全く同じ環境下に置き、臓器発生時の各種因子と全く同様の刺激を与えることで注入した幹細胞から臓器を作り出せるか検討した。遺伝子改変した間葉系幹細胞を腎臓が出来る前のラット胎児の腎臓発芽部位に注入し、全胚培養器を用いこの胎児を生きたまま子宮外で成長させた後、さらに器官培養にて腎臓の発育を継続させた。その結果注入した間葉系幹細胞由来の腎臓の一部(ネフロン及びその周囲の間質)の形成が確認された。またこの腎臓原器を腹腔に戻すことによりさらに腎臓は発育し自尿を得られることが確認された。
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Research Products
(2 results)