2007 Fiscal Year Annual Research Report
異種胎児を用いた自己間葉系幹細胞由来クローン腎臓作製法の開発
Project/Area Number |
18590911
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
横尾 隆 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (70301538)
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Keywords | 異種移植 / 腎臓再生 / 胎児 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
前年度までにヒト間葉系幹細胞から後腎組織を樹立することに成功しているため、この腎臓原器に尿生成能を獲得させることに挑んだ。まず後腎発生の血管迷入期前後に後腎を大網に移植することにより移植後腎はさらに成長を続け尿生成を開始するという現象に着目した。妊娠13.5日以降のラット胎仔の後腎は大網内で発育を継続することが確認されたため、ヒト問葉系幹細胞を妊娠11.5日ラット胎仔体内で48時聞培養した後24時間器官培養を行い、妊娠13.5日後腎相当の大きさまで発育させてから成獣ラットの大網内に移植した。移植後腎臓原基は急速に成長し2週間後には元の腎臓の10〜20%の重量になっていた。我々はこのヒト問葉系幹細胞由来腎組織を新規腎臓(neokidney)と名づけさらに検討を行った。LacZトランスジェニックラットをレシピエントとして用いた実験にて、大網内で成長した新規腎臓内の血管系はLacZ陽性でありレシピエントの血管が統合されていることが示された。さらに電子顕微鏡にて糸球体係蹄内に赤血球が確認されておりレシピエントの循環系が糸球体係蹄まで達していることが示唆された。同時に糸球体上皮細胞の高次構造がしっかり構築されていることが確認されたため、レシピエントの血液をろ過することが可能であると推察された。このため腎臓原基を大網内で4週聞成長させたところ新規腎臓は水腎症を呈することが確認された。これは新規腎臓が尿生成を開始したが尿管が大網内の脂肪組織に埋もれてしまって流出路が絶たれてしまったために生じたと考えられた。このため拡張した尿管からマウスピペットを用いて貯留した液体を吸引し生化学的検討を加えたところ、血清値と比較し尿素窒素およびクレアチニン値が明らかに濃縮され尿組成に近いことが確認され、新規腎臓が血清をろ過したことが示唆された。
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Research Products
(5 results)