2006 Fiscal Year Annual Research Report
横紋筋融解と急性腎不全を来す先天性代謝疾患の迅速な遺伝子診断の確立と治療への応用
Project/Area Number |
18590918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 助教授 (20161169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 喬雄 福岡大学, 医学部, 教授 (10125552)
向野 義人 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (40144266)
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Keywords | 遺伝子診断 / 長鎖脂肪酸 / CPT II酵素 / 横紋筋融解 / 急性腎不全 / DNA配列決定 / 変性HPLC |
Research Abstract |
平成18年度の研究実績は以下の2点に集約できる。いずれも本研究の中核をなす。 I、日本人に特異的なCPT II変異の同定。 日本全国から依頼されるCPT II異常症患者について、PCR-direct DNA sequencingによる遺伝子検索を進める中で、我々が遺伝子型を決定しえた8例中7例、文献に報告された日本人患者3例中2例は、codon383のphenylalanineがtyrosineへ変異したもの(F383Y)であることが判った(82%)。CPT II変異はこれまで39個の変異が報告されているが、白人患者集団ではS113LとP50H変異とでやはり80%を占めており、我々の結果は、それらの結果に対応するものと考える。昨年発表されたラットCPT II分子の結晶解析によると、codon113とcodon383は、いずれもCPT II酵素活性の中心に位置しており、CPT II異常症の病因として理解できる。 II、DHPLCによるCPT II変異の検出 迅速なCPT II遺伝子変異の検出のために、我々はPCR-DHPLC (heat-denatured high performance liquid chromatography of PCR-amplified gene product)を援用している。PCRには、上記PCR-direct DNA sequencingに用いるprimerをそのまま利用した。予備実験ではexon4とexon5のheteroduplex変異のみを検出したが、本年度の本格的研究で、SNPを含む全てのexonの変異を、迅速に再現性をもって検出し得る実験条件を整備した。今後、対象集団の拡大を図る。
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