2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18590927
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 雅裕 Chiba University, 大学院・医学研究院, 講師 (70345023)
|
Keywords | 多発性硬化症 / 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー / SEREX法 |
Research Abstract |
(1)多発性硬化症と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーの合併症の頻度、臨床像や神経生理学的特徴についてまとめ、報告した。今までに連続症例に精密な電気生理学的検討を加えた報告はほとんどなく、その頻度が少ないながら存在し、特有の電気生理学的特徴を有することを明らかにした意義は大きい。 (2)gliomaのcell lineから作ったcDNAライブラリーを用いて2名の通常型多発性硬化症、2名の慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者、2名の両者合併症患者からの血清でSEREX法を施行し、通常型多発性硬化症患者血清から6個の、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者血清から4個の新規自己抗原の可能性のある蛋白をコードする遺伝子を得た。また、schwannomaのcell lineから作ったcDNAライブラリーを用いて2名の通常型多発性硬化症、2名の慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者、2名の両者合併症患者からの血清でSEREX法を施行し、1名の多発性硬化症患者から17個の、2名の慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者から4個の新規自己抗原の可能性のある蛋白をコードする遺伝子を得た。多発性硬化症から得られた遺伝子と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーから得られた遺伝子に共通のものはなかった。それらのうち1つに関しては蛋白の精製に成功した。多発性硬化症と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーの合併例からは新規自己抗原の可能性のある蛋白をコードする遺伝子が得られなかった。いままでに多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーともSEREXを用いた報告はなく、遺伝子から自己抗原蛋白を同定する道筋をつけた意義は大きい。 (3)髄液を対象にSEREX法を行う系を確立した。
|
Research Products
(3 results)