2006 Fiscal Year Annual Research Report
深部電極刺激(DBS)の臨床効果の評価法に関する総合的検討
Project/Area Number |
18590928
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺尾 安生 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20343139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇川 義一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50168671)
花島 律子 東京大学, 医学部附属病院, 研究拠点形成特任助手 (80396738)
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Keywords | 深部電極治療 / 眼球運動 / Parkinson病 / 定量的評価 |
Research Abstract |
近年深部電極刺激(deep brain stimulation, DBS)により、Parkinson病をはじめとする神経疾患の治療が広く行われるようになってきている。しかし臨床効果を客観的かつ総合的に評価する手法はいまだに確立されていない。本研究では、我々がこれまで開発してきた様々な生理学的手法を応用することにより、DBSの効果を客観的かつ総合的に判定する方法を確立することを目標とする。 平成18年度の研究では、Parkinson病(PD)患者と正常被験者に様々な眼球運動を行わせ、DBSの臨床効果の定量的評価を行った。PDでDBS治療をうけている患者において検討をおこなった。DBSをon及びoffとしたときの各種眼球運動課題の遂行能力(潜時、振幅、速度、課題の正答率など)を比較した。眼球運動課題としてはvisually guided saccade、gap saccade、memory guided saccade(MGS)、antisaccade(AS)の四つの課題を行なった。計測した各種課題の遂行能力を、DBSのonまたoffとした場合に分けて解析し、さらに年齢をマッチさせた正常人において計測した課題遂行能力の正常値と比較した。その結果、DBSはいずれの眼球運動課題についても眼球運動の振幅を改善させ、さらに一部の課題において潜時を短縮する効果があることがわかった。即ちDBSは基底核の機能を正常化させることにより、これらの課題の遂行能力を正常者のそれに近づける効果があることが示された。課題の正答率についても、一部の課題(MGS)においてはsaccade to cueの頻度が減る効果があったのに対し、ASの正答率は変化しなかった。したがってこれらの課題の遂行に必要とされる眼球運動の抑制機能についても、DBSは一部正常化させる効果があることが定量的に示された。
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Research Products
(6 results)