2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン蛋白質のユビキチン化阻害因子の探索と疾患治療への応用
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18590929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 淳 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 特任助教 (40401038)
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Keywords | ポリグルタミン / ユビキチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
本年度はポリグルタミンタンパク質のユビキチン化修飾因子としてユビキチン相同タンパク質の網羅的解析を行った。FAT10, ub 15, FubI, Isg15, urm1をそれぞれcDNAライブラリーよりクローニングし、哺乳動物細胞内での強制発現系を構築した。免疫沈降したポリグルタミンタンパク質にそれぞれのユビキチン相同蛋白が結合しているかどうかを免疫ブロット法でスクリーニングし、Fat10の結合を検出した。これは、さらに尿素存在下でポリグルタミンタンパク質を精製することによって共有結合を介した結合であることを確認した。そのためにそれ以降FAT10についての詳細な解析を行った。FAT10はユビキチンの相同タンパク質であり、リジン残基を修飾することが知られている。様々な濃度のユビキチンと共に発現することで、ポリグルタミンタンパク質のユビキチン化に与える影響について検討を行った。それにより、FAT10は発現量依存性にポリグルタミンタンパク質のユビキチン化に影響を与えることを確認した。また、FAT10の強制発現によって異常ポリグルタミンタンパク質のユビキチンプロテアソーム系による分解過程に影響を与えることも確認した。すなわち、ユビキチン相同タンパク質FAT10がポリグルタミン病の分子病態に多大に関与している事が予想された。以上の結果について、各種学会などで発表した上、現在、その結果を学術誌に投稿する準備中である。
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