2007 Fiscal Year Annual Research Report
家族性アミロイドポリニューロパチーに対する新規薬物療法の開発
Project/Area Number |
18590932
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
関島 良樹 Shinshu University, 医学部附属病院, 准教授 (60322715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 正英 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70372513)
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Keywords | タンパク質 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 薬学 / 遺伝子 / アミロイド / ミスフォールディング / トランスサイレチン |
Research Abstract |
トランスサイレチン(TTR)アミロイドは,TTRの四量体が単量体に解離し,解離した単量体が変性することにより線維が形成される.我々はまず,既に薬剤として認可されており,ヒトへの臨床応用が可能な低分子化合物の変異TTRに対する四量体安定化作用,アミロイド線維形成阻害作用を,遺伝子組み換えTTRを用いてスクリーニングした.その結果,diflunisalとflufenamic acidが強力なTTR四量体安定化作用とアミロイド線維形成阻害作用を有することを見いだした.次に37名のFAP患者と対照者の血清を用いて,血清中TTRの安定性を評価した.更に,diflunisalとflufenamic acidをFAP患者の血清に添加し,血清中TTR安定化作用を比較した.その結果,FAP患者の血清中TTRは対照者に比べ有意に不安定であることを見いだした.diflunisalとflufenamic acidの血清中TTR安定化作用に関しては,diflunisalの効果が優れており,difunisalを添加したFAP患者血清中TTRは対照者の血清中TTRと比較しても有意に安定であった. これらの結果からdiflunisalを用いたFAP患者に対する第二相臨床試験を開始した.現在臨床試験は進行中で15名のFAP患者が試験に参加しているが,diflunisalは500mg/日の投与量で高い血中濃度を維持し,FAP患者血清中のTTR四量体を有意に安定化した.2年間以上の経過観察をしているが,重篤な副作用は認められていない.治療効果については,無治療のFAP患者にくらべ進行が患者な患者が多いが,正確な治療効果の判定には二重盲検試験の必要性がある.
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Research Products
(4 results)